どうも!ともすけです。フリーランスエンジニア歴8年で、普段はWeb系システムのバックエンド開発をしています。
今回は、フリーランスエンジニアの消費税の話です。
「年収1000万円を超えると、消費税で損をするらしい」
「だったら、あえて1000万円未満に抑えたほうがいいのでは?」
この話、独立を考えている人も、すでにフリーランスとして働いている人も、一度は気になったことがあると思います。僕自身もそうでした。
でも、実際に働いて数字を見ていくと、話はそこまで単純ではありません。
消費税はたしかに気になりますが、「年収1000万円を超えたら終わり」と考えるのは、ちょっともったいないです。
この記事では、月80万円(税込)と月85万円(税込)を例にしながら、フリーランスエンジニアは消費税のために年収1000万円未満へ抑えるべきなのかを整理していきます。
結論|フリーランスエンジニアが消費税対策で年収1000万円未満に抑える意味はない
結論から言うと、消費税を理由に年商1000万円未満へ無理に抑える意味はありません。
たしかに、年商が1000万円を超えると、将来的に消費税を納める側に入りやすくなります。
でも、それで増えた売上のメリットが全部なくなるわけではありません。
フリーランスエンジニアが年収1000万円を気にしすぎる理由
フリーランスになると、「年収1000万円」や「年商1000万円」という数字がひとつの節目のように見えてきます。
理由は、個人事業主の消費税が、原則として基準期間の課税売上高が1000万円を超えると課税事業者になるからです。
国税庁のサイトでも、課税売上高が1,000万円以下である場合には、原則として、納税義務が免除されると案内されています。国税庁:No.6501 納税義務の免除
この話だけ聞くと、
- 1000万円未満なら安心
- 1000万円を超えたら損
- だから売上は抑えたほうがいい
と考えやすいです。
僕も以前はかなりこの感覚でした。
税金まわりはわかりにくいので、よくわからないものほど怖く感じるんですよね。
ただ、本当に見るべきなのは、売上がいくら増えるかと、そのうちどれだけが出ていくかです。
消費税が発生するかどうかだけで判断するのは早いです。
月80万円と月85万円を比較|年収1000万円を超えるとどうなる?
具体的に、月80万円(税込)と月85万円(税込)を比べてみます。
月80万円(税込)の場合
月80万円なら、年商はこうです。
80万円 × 12か月 = 960万円
月85万円(税込)の場合
月85万円なら、年商はこうです。
85万円 × 12か月 = 1,020万円
差は、
1,020万円 - 960万円 = 60万円
です。
まず、額面だけ見れば月85万円のほうが年60万円多くなります。
ここを見ないまま、消費税だけで判断すると話がずれてしまいます。
消費税をそのまま全部負担すると、月85万円のほうが不利に見える
ここで、「でも月85万円のほうは消費税がかかるのでは?」という話になります。
まずはかなり単純な見方をします。
税込1020万円の中に含まれる消費税相当額を出すと、こうなります。
1,020万円 ÷ 1.1 = 約927.3万円
なぜ1.1で割るのかというと、税込金額 = 税抜金額 × 1.1 だからです。
1,020万円 - 927.3万円 = 約92.7万円
つまり、税込1020万円の中には、約92.7万円の消費税相当額が含まれている、という見方です。
この考え方をそのまま使うと、
- 月80万円の年収:960万円
- 月85万円の年収:約927.3万円
となります。
これだけ見ると、「やっぱり85万円のほうが損では」と感じると思います。
僕も最初はそう思っていました。
ただ、この見方はかなり単純化されています。
フリーランスエンジニアは簡易課税で考えると見え方が変わる
ここで大事なのが、フリーランスエンジニアは簡易課税で考えると、消費税をそのまま全部納めるわけではない、ということです。
国税庁も、簡易課税制度では事業区分ごとのみなし仕入率で納付税額を計算すると案内しています。国税庁:No.6505 簡易課税制度
簡易課税では、ざっくり次の式で考えられます。
売上消費税 = 課税売上高 × 10/110
みなし仕入税額 = 売上消費税 × みなし仕入率
納付消費税 = 売上消費税 - みなし仕入税額
フリーランスエンジニアのようなサービス業は、みなし仕入率が50%です。
なので今回のようなケースでは、実質的に
納付消費税 = 売上消費税 × 50%
と考えるとわかりやすいです。
要するに、売上に含まれる消費税額のだいたい半分が、納付額の目安になるということです。
月85万円・年商1020万円の消費税を簡易課税で計算する
まず、売上に含まれる消費税額を出します。
売上消費税 = 1,020万円 × 10/110
= 約92.7万円
次に、みなし仕入税額を出します。
みなし仕入税額 = 92.7万円 × 50%
= 約46.4万円
最後に、納付する消費税を出します。
納付消費税 = 92.7万円 - 46.4万円
= 約46.4万円
つまり、月85万円 (年1,020万円)でざっくり見ると、消費税の納付額は約46.4万円です。
そのため、ざっくり残る売上感覚は
1,020万円 - 46.4万円 = 約973.6万円
となります。
これを月80万円コースの年商960万円と比べると、
973.6万円 - 960万円 = 約13.6万円
です。
つまり、簡易課税ベースで見ると、月85万円のほうが年13.6万円ほど有利という見方になります。
フリーランスエンジニアが年収1000万円を超えると損、は間違い
ここまでの話をまとめると、
- 月80万円は、消費税の面では有利に見えやすい
- 月85万円は、消費税を払う必要がある
- でも、売上の増加分が全部消えるわけではない
ということです。
なので、
- 年収1000万円を超えると即損
- 1000万円未満に抑えれば得
- 消費税があるから売上は増やさないほうがいい
こうした考え方は、かなり乱暴です。
節税は大事です。
でも、節税のために売上そのものを抑えすぎると、本来取れたはずの収入まで逃してしまいます。
実体験|僕も以前は年収1000万円を超えないように考えていた
僕自身、以前は月80万円前後の案件を受けていた時期が長かったです。
その頃は、年収1000万円をギリギリ超えると逆に損するんじゃないか、と本気で思っていました。
今振り返ると、少し守りに入りすぎていました。
慎重になること自体は悪くないのですが、冷静に数字を見ると、そこまで極端に怖がる必要はなかったです。
それと、これは数字だけではないのですが、
「年収1000万円を超えないようにしよう」と考えるより、
「もっと条件のいい案件を取ろう」と考えるほうが、気持ちも前向きでした。
なお、消費税を払う年に入ったら、その分の資金は使わずに手元に残しておくのが安心ですよ。
まとめ|フリーランスエンジニアは消費税だけで年収1000万円未満に抑えなくていい
- フリーランスエンジニアが年収1000万円を超えると消費税は発生するが、だからといって即損するわけではない
- 月80万円と85万円の比較では、簡易課税ベースなら消費税を払っても85万円のほうが手元に残るお金は多くなる
- 消費税を理由に売上を無理に抑えるより、最終的な手残りで考えたほうがいい
消費税はたしかに気になります。
僕もずっと気にしてきました。
でも、その不安だけで売上を抑えてしまうのは、やはりもったいないです。
年収1000万円は、超えてはいけない壁というより、落ち着いて数字で見ればいいラインだと思っています。
必要以上に怖がりすぎず、ちゃんと稼げる条件を取りにいく。
そのほうが、フリーランスとして長く働きやすいはずです。


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